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「闇より深く」
五十嵐 亮介 作
この作品で題材にしたのは、様々な怪談に登場し、どこか怪しい魅力がつきまとう「白い手」の怪異である。
「白い手」は人体の身体的行動の範疇を逸せず、また目的や動機も示唆せず存在そのものが謎の場合が多い。
ただそこにあるだけである。
しかしながら、身体の一部分のみの出現というありえない現象が眼前で起き、
一体それが何であるかという謎が恐怖と不安を呼び起こす。
また慣れ親しんだ身体の一部分からは様々な行動の可能性を読み取ることができる。
そしてその謎と可能性にこそ、当事者の想像力が呼び込まれ、
それは怪異の現れる「場」の構造と結びつき、怪異は妖怪へと昇華していく。
謎とは闇である。光に照らされた世界から闇の世界へと足を踏み入れ、独自の妖怪像を創造してもらいたい。