

のっぺらぼう「最近は顔を覆いたくなるような暗い事件ばかりです」
一条通りを夜行中の妖怪たちに突撃インタビューを試みる「モノノケスクープ」。
第一回は目鼻口がない卵のような面相をした妖怪、のっぺらぼうさん。
夜行中ののっぺらぼうさんは、突然であるにもかかわらず取材の申し込みを快く引き受けてくれた。
早速取材を開始すると、最近はテレビや映画などの過激な演出の影響で、顔が無いくらいでは誰も驚いてくれない。
特殊メイクやCGの発達により我々のような現場主義の妖怪は存在感が薄くなってしまったと暗い声で語りだしたが、
話題が休日の過ごし方に及ぶと声が明るくなり、休日は妖怪仲間とマージャンやトランプゲームをして過ごすことが多く、
今のところ最強のポーカーフェイスとして連勝中であると語ってくれた。
また、のっぺらぼうさんは、実は単体の妖怪ではなくムジナやカワウソ、狐や狸が変化した姿ではないかとの疑惑が以前からあり、
そのことを追求すると急に黙り込んでしまった。黙秘を続けるのっぺらぼうさんは表情が全く読めず、真相は闇の中だが、
最後に最近は顔を覆いたくなるような暗い事件ばかりですが、妖怪も人間も手を取り合って頑張っていきましょう
という言葉をのこして再び行列に帰っていった。
のっぺらぼうさんといえば、一度驚かせた人間を別人に成りすましてもう一度驚かすという
「再度の怪」が得意の手口であるが、その日の取材の帰りに寄った蕎麦屋の主人にのっぺらぼうさんのことを語ると
「その化物はこんな顔かえ」と当ののっぺらぼうさん自身が主人に成りすまして筆者を驚かせてくれた。
無表情が売りののっぺらぼうさんだが、その時は少し照れくさそうな表情をしたように感じたのは気のせいだろうか。(文・撮影コウノジュンヤ)
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