油すまし「原油高騰で油の大切さ再認識」
一条通りを夜行中の妖怪たちに突撃インタビューを試みる「モノノケスクープ」。 第二回は熊本県を中心に活動する妖怪、油すましさん。
大きな頭を揺らしながら杖をついて行進する油すましさんに取材の申し込みをすると 「今忙しい」とぞんざいに断られてしまい、行列の中に混ざって見えなくなってしまったが、 筆者が「昔ここに油瓶さげたのが居たらしいですね」と言うと、少し間があってから「今でも居るぞ」と邪魔くさそうに言いながら出てきてくれた。 機嫌は悪そうだったが、短時間だけという約束で取材を開始した。
油すましさんは本や映画などの影響で、世間一般には妖怪たちを取りまとめる切れ者というイメージがあるが、 明らかなのは明治時代に熊本県の峠道である老婆が「昔ここに油瓶さげたのが居たんだよ」と噂すると 「今でも居るぞ」と言いながら現れるということだけで、それ以外は全く謎の妖怪である。 また、本名も油すましではなく油ずましであるとか、 油瓶をぶらさげた妖怪ではなくて油瓶そのものの妖怪ではないのかとの指摘もあり、 そのことを油すましさん本人に尋ねると「細かいことにこだわるのはお前たち人間の悪い癖だ」と叱られてしまった。
話題を変えてプライベートについて伺うと、 食事中や睡眠中でも誰かが油すましさんの噂をすればすぐに出なければならないので気が休まる暇がないとのこと。 取材の最後に油すましさんから読者へのメッセージをお願いすると、 最近は原油価格の高騰が社会問題になっているが、油などの限りある資源の大切さを再認識する良い機会だと思う。 今の若者も昔の人のように物を大切に使う精神を養ってほしいという言葉を残して行列に戻っていった。
ぶっきらぼうだがサービス精神旺盛な油すましさんのこの時事に沿ったメッセージは、油すましさんが「今」でも居ることの証明ではないだろうか。 (文・撮影コウノジュンヤ)

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